Category Archives: サイクリング・レース・エクササイズ

サイクリング

天気も良いので、久し振りにロードでサイクリングして来ました。
サイクリングと言っても下里町2周です。
ロードの乗り方を忘れるぐらい長い間乗っていませんでした。
心地よい汗をかいて帰って来ました。

膝の調子も良いので先日、ジョギングをして見ました。
2日続けました。
足の裏がひび割れて血がにじんで歩けないぐらい痛くなりました。
足の甲がかさかさでひび割れています。
毎日クリームを塗って手入れをしているのですが、年ですね。

右肩の調子は、自転車に乗っても痛くなくなりました。
以前は、自転車に乗ると痛くてたまりませんでした。
でも、まだケンスイは、出来ません。

あちこちガタが出てきました。
年を感じるこのごろです。

ひわさうみがめトライアスロン2014

ひわさうみがめトライアスロン2014

長崎西海トライアスロンから一週間後、今年はうまく日程がずれてくれたので、2年ぶりの二週連続参戦となった。長崎西海では例年のような猛暑とはならず、しかも強風の影響でランが短縮されたため、体へのダメージは比較的少ないはずだった。しかし、思わぬ落とし穴が待っていた。

長崎西海でのレース翌日、夕方にかけてやたらとのどが渇いた。おかしいなと思っていると、鼻の奥が少しツンとするような感覚…上咽頭炎をともなう風邪のようだった。症状は軽かったので、かかりつけの耳鼻科に通ったり、ビタミンCを意識してたくさん摂ったりして凌いできた。症状は重くならない代わりに軽くもならない…そんな状態で出発の日を迎えた。

レース前日の土曜日、渋滞を避けるために朝6時に家を出る。途中、淡路島のSAに寄って休憩するが、少し眠気を感じる。運転に支障を及ぼすものではなかったが、明らかに体調が悪い。

10時に日和佐到着、少し体が重い気がするが、今回は2年ぶりの参加となるため、バイクコースの試走に出かけた。天気は曇りで、さほど暑さは感じない。しかし、鼻からのどにかけての違和感が尋常ではなかった。それでも流しながらではあるがバイクコース約40kmを走った。

昼食後に持ってきていた市販の風邪薬を飲んで、会場近くの温泉に入ると意識が朦朧としてきた。うつらうつらとして、気持ち良いやらしんどいやら…複雑な気分だったが、少しすっきりしたので宿へ向かった。

宿に着いてからは、夕食をとったり長崎西海のレースレポートを書いたりして過ごした。夕食後の風邪薬の影響なのか、眠気が襲ってきたので21時過ぎには就寝する。

レース当日の朝、意外と目覚めはすっきりしていた。風邪薬が効いてくれたのだろうか?ともあれ、前日が風邪のピークだったのだと思うようにした。6時半に宿を出て、7時に会場入りする。準備を済ませてアップのため、バイクコースに向かった。

バイクコースは日和佐の市街から河川敷にかけて、少し平地区間を走った後、阿波サンラインに入るといきなり9%の上りが現れる。この坂は途中で10%になり、上りきったところのトンネル入り口がちょうど5km地点だ。アップとして、ここまでを目標に走る。

「もしすごくしんどかったらDNS(出走せず)かも…。」そんな思いで走ったが、幸い前日の試走で感じたような、鼻からのどにかけての違和感はなく、何とかスタートできそうだった。少しほっとして会場に戻る。

トランジットエリアで準備していると、隣は久々に出会うアミューズの丹羽さんだった。また、先週の長崎西海でもご一緒した福岡県の龍頭さんがはるばるやって来ていた。ランでのアップをして戻ってくると、毎年淡路島一周でご一緒する「たらちゃん」こと、太田良さんにも出会った。いつも一緒に参加する愛媛の齋藤君が今年は参加しておらず、一緒に参加するはずだった同じ職場の福森さんが仕事で来れなかった。なので、少しさびしかったのだが、それ以上に多くの人に会うことができて、風邪引きのしんどさを少し忘れることができた気がした。

午前9時に第1ウェーブがスタートする。同時にスタートする人数は、前週の長崎西海では約100名だったが、今回は約190名…ほぼ倍の人数である。しかし、スタートラインが比較的幅広く設定されているので、前週ほどのバトルもなく、早い段階で自分の泳ぐラインが定まっていった。しかも波はほとんどなく、海は驚くほど静かだ。

スイムのコースは、最近では珍しい行って帰るだけの直線コースだ。100mごとに三角のブイが設置されていて、大きく番号が表示されている。なので、自分が今どこまで泳いできたのかがよくわかる。次のブイに到達するまでの体感的な時間は確実に短い…というよりはプールでの感覚に近いといったところだろうか?このままいけば30分は余裕で切れそうだ。風邪で体がつらいことも忘れて次のブイを目指す。

例年、最初どんなに海が静かでも、沖に行けばうねりが出て泳ぎ辛くなってくる。今年はどのあたりからだろうか?そんなことを考えながら泳いでいるうちに中間点の大きなブイが見えてくる。海は相変わらず静かだ。このレースには10回以上出場しているが、こんなに泳ぎやすいのは初めてだった。中間点の大きなブイを回って折り返す。

少しだけペースが落ちたように感じはしたが、泳ぎやすさは変わらない。最後のブイの横を通過して砂浜に上がる。早速時計を確認すると27分ちょうどだった。砂に足をとられながら、少し走って計測ポイントを通過したときは27分19秒だった。

防波堤の切れ目から海岸線沿いの道に入り、少し走って神社の境内に設置されたバイクトランジットエリアに向かう。トランジットエリアは横長に設定されていて、走る距離が結構長い。僕のゼッケン番号は113で、例年ならバイクスタート側の端のほうである。しかし、今年はエリアのほぼ真ん中だった。走る距離は当然ながら、みんな平等になっている。しかし、バイクシューズをしっかり履いてからスタートする者としては、バイクシューズで走る距離が長くなるのは少し辛い。だからといって、バイクシューズをペダルにつけてスタートするのはここ10年くらいやっていない。もちろん練習もしていないので、いつもどおりバイクシューズをしっかり履いてからスタートした。

役場前の通りから厄除橋を渡り、日和佐駅前を通って阿波サンラインへ向かう。風もほとんどなく、抑え気味でも楽に巡航できた。阿波サンラインに入ると、しばらくは本格的な上り区間がはじまる。スイムは無事に済んだが、のどに爆弾を抱えていることには変わりがない。息を上げすぎて咳き込んでしまったら、一気に苦しくなってしまうことは明らかだった。先行する選手を一気に捉えてしまうチャンスだったが、抑え気味に走った。それでも少しづつ、確実に前を走る選手を捉えていく。先週と同じく1枚軽めのギアで上っているせいか、足の負担も抑えられているようだ。

5km地点のトンネルを抜けて、少し勾配が落ち着いた思ったら、また上りになる。このあたりから周りはレベルが同じくらいの選手同士になり、抜きつ抜かれつがはじまる。第1展望台から第2展望台は上り基調で進んでいく。下りで抜かれても上りで追いつき、少しづつ引き離す。抑え気味でもいつもと同じ調子で走ることが出来ているようだ。いや、抑えている分だけ少し足にも余裕がある。

ひわさ2014bika1

第3展望台に差し掛かる頃、福岡県の龍頭さんが追いついてきた。僕と同じく長崎西海からの二週連続となるため、レース前は「ゆっくりいきますよ」とは言っていたものの、やはり調子は良さそうだ。下りの勢いで一気に追い抜かれ、直後の上りでもどんどん離されていってしまう。この調子だと年代別での表彰台も狙えそうである。風邪引きがなくてもついていけないような速さだった。

第3展望台を過ぎると、折り返し手前までの間は「隠れ平地区間」となる。「隠れ」というのは、前後のアップダウンにまぎれて、実は平地であることがわかりにくいからだ。厳密に言えば上り基調になっている部分もあるのだが、思い切ってギアをかけて走ったほうが確実に速い。ここでギアをアウターに入れなおした。

「隠れ平地区間」をしばらく走っていると、オープン参加となっているプロ選手である細田選手がダントツのトップで折り返してきた。そこからしばらくして後続の選手が次々と折り返してくる。例のごとく、現在の順位を確認するために選手の数を数える。トップ10まではまばらだったが、折り返しが近づくにつれて選手の数が多くなっていった。

結局折り返し地点での順位は54番目だった。リレーの選手や第2ウェーブ以降の選手もいるので正確な順位ではないが、目安としては十分だった。例年と比べても同じような順位だ。ここからバイク終了までどこまで順位を上げていくことができるか…。ここまで抑えて走ってきたせいか、足の負担も軽く感じた。往路より復路のほうが少し楽なので、50番以内までは上げることができるかもしれない。そんなことを考えているうちに、風邪引きのことは少し忘れつつあった。

ひわさ2014bike2

折り返し後の長い上りで一人の選手を捉える。しかしそこからなかなか順位を上げることができない。一人抜いてはまた一人抜かれ、同じ人と何度も順位が入れ替わった。

復路の最後にある10%の上りに差し掛かったときに二人捉えたが、そのうち1人にはまた追いつかれた。そのまま下りに入ったところで少しずつ離されていく。ここで次のランのことを考えてふと我に返った。呼吸を整えておくためにもあまり無理はせず、流し気味でバイクフィニッシュに向かう。結局、抜いた数と抜かれた数は同じで、バイク後半では順位を上げることはできなかった。

ランに入ると、のどに抱えた爆弾が突然蠢きはじめる。バイク終了までにはすっかり忘れていたのどの違和感が急に甦ってきた。大きく息を吸うと咳き込んでしまいそうなので、自然と呼吸が浅くなる。まるで酸素が肺まで届いていないかのような感覚だ。そのせいかストライドも伸びない。このまま最後までしっかり走りきれるのだろうか?そんな不安が頭をよぎる。それでも前を走る二人の選手との距離が徐々に縮まっていく。このままペースを保てばそのうち追いつきそうなので、焦る気持ちを抑えながら走った。

しばらく川沿いの道を走り、橋を渡る手前で前の選手二人を捕らえた。一気に突き放すことはできないが、ペースをしっかり保てば自然と距離は離れていく。この頃から少しずつ暑さを感じ始めたので、エイドではしっかり給水し、ビニール袋に入った氷も受け取った。

田んぼの真ん中を通る道を真っ直ぐに走る。日差しはそれほどきつくはなっていなかったが、日陰がまったくないので思った以上に辛い。中学生のボランティアが用水路の水を汲んでかけてくれる。このレースに出たことのある人は誰もが覚えている風景だ。

序盤で2人を抜いてから、しばらく順位に動きはなかったのだが、ここで一人抜かれる。程なく前でペースダウンしている選手を捉えたが、その後すぐに別の選手にも抜かれた。

しばらく走った田んぼの真ん中を抜けると、ほんの少しだが上り基調となる。呼吸はだいぶ整ってきたが、相変わらず浅いままだ。折り返し地点も近づいてきて、ペースを上げたいところだったができないでいた。そんな時、また一人の選手に抜かれる…と、その選手は序盤に抜いたうちの一人だった。少し距離が離れるが、しばらくすると走るスピードはほぼ同じになったようで、距離はあまり変わらない。

折り返しを過ぎて、今度は少しだけだが下り基調となる。今の段階で順位はバイク終了から変わっていない。先ほど抜かれた選手との距離も少しずつ縮まってきていた。何とかこのまま踏ん張れれば…そんな思いで走っていたが、少し足にきはじめる。7km地点を過ぎたあたりで二人の選手に抜かれた。そしてそのうちの一人は序盤に抜いた二人の選手のうち、もう一人の選手だった。残り3kmということでペースを上げているのだろうか…目に見えて距離が離れていく。そして、少しずつ縮まっていたはずの前の選手との距離も開きはじめた。

いつもならこちらもペースアップして後を追うところだが、のどの爆弾がそれを許さない。最低限のペースを落とさないことが精一杯だった。残り2kmを切って、今まで走ってきたコースの復路から外れてフィニッシュ地点に向かう。真っ直ぐ続く道の先に左折する交差点が見えているが、なかなかたどり着かない。

残り1km地点…ここで3人の選手に次々と抜かれる。この地点でこんなに抜かれたのは最近記憶にない。ここまで何とか保ってきた集中力も切れかかっていた。ラストスパートをかけるでもなく、ただひたすらにフィニッシュを目指す。

とにかく早く休みたい…その思いでフィニッシュゲートをくぐる。結果は2時間35分8秒と、2年前より1分半ほど速かったのだが、順位は62位とバイク終了から10も順位を下げてしまうことになってしまった。レースコンディションはこれまでこのレースに参加した中で一番良かった。それにもかかわらず、自分のコンディションが整わなかったため、納得いく結果にならなかったことが悔やまれる。それでも何とか走り切れたことは収穫だったと思いたい。

昨年と同様に、今年も7月でトライアスロンシーズンは終了となってしまった。どこかのレースを探そうかとも思ったが、体調が回復しないうちはそんな気にもなれないだろう。連戦と風邪のダブルパンチで少々グロッキー気味なので、しばらく休んでシーズン後半のマラソンに向けて準備していこうと思う。

坂口晃一

長崎西海トライアスロン2014

長崎西海トライアスロン2014

大会の一週間ちょっと前…台風8号が発生し、日本に向かって進んでいた。毎日毎時進路をチェックするたびに通過予想が遅れていく。このままでは大会当日に、九州は通過していても大阪には接近していることも考えられた。
意外な形で大会出場が危ぶまれたのだが、幸いにして大阪での影響は少なく、無事通過してくれた。しかし、万が一を考えて日程調整をしたせいで、例年金曜日に佐世保までは行っていたのが、今回は土曜日に直接現地入りすることとなってしまった。

早朝に出発し、大島に到着したのは午後2時過ぎだった。自宅を出てから8時間…少し疲れがあったが、佐世保に到着してから降り始めた雨も止んでいたので、バイクでの試走に出かける。曇り空で気温もあまり上がっておらず、風もそう強くなかったので、気持ちよく走ることができた。

試走後に受付と車検を済ませて、競技説明会と開会式に出席する。
「明日の降水確率は70%で、残念ながら確実に雨です。」
「私は雨女でして~…」
説明会の内容や、開会式での来賓や招待選手の挨拶では、皆口々に当日の天候についてのコメントをしていた。
僕はどちらかというと晴れ男で、レースのときに雨が降ることは少ない。しかし、今回ばかりは雨のレースになりそうだった。
「台風が過ぎてくれただけでも良しとしよう…」
そんな思いで大会当日を迎えた。

当日の朝、前日の夜から降り始めた雨は少し小降りになっていた。しかし、ここから晴れてくるような気配はもちろん皆無だった。しかも風が強く吹いている。今大会でおなじみの猛暑はないが、雨風が強く厳しいレースになりそうだった。

スタート直前、入水チェックのために並んでいると、長崎県協会の加納さんから選手全員に向けてアナウンスがあった。
「今日のレースは、大島大橋が二輪車通行止めとなったため、ランを短縮します。」
距離は約6km…計測はしていないので正確ではないが、とにかく半分ほどになるのだという。バイクでの向かい風ばかりが気になっていただけに、ランの短縮は意外だった。

午前9時に第1ウェーブがスタートし、以後は2分間隔で第4ウェーブまでとなっている。今回は例年より参加者が増加しているため、ウェーブごとの人数は100名となっているらしい。それもあってか、今年はいつも以上にスタート直後のバトルが激しかった。

最初の競り合いで少しゴーグルがずれたので、直しながら泳いでいく。ようやく自分のラインが定まったかと思った瞬間だった。いきなり前を泳ぐ選手の足の裏がまともに僕の顔面に入った。平泳ぎのキックである。ゴーグルが大きくずれてしまったので、しっかりと直してから再び泳ぎ始めると、すぐに先ほど僕の顔を蹴った前の選手に追いついた。まだ平泳ぎをしている。というか、ずっと平泳ぎのようだった。昔は平泳ぎ禁止などのルールもあったはずなのだが…。引き止めて文句を言いたい気分になったが、そんなことをしても時間の無駄なので、また蹴られないように距離を空けて追い抜いた。

少しほっとした瞬間だった。今度は左側から上に乗ってこられた。その瞬間、ちょうど左腕を水面に上げた状態だったため、肩関節に変な力が加わってきた。
「!!やばッ!!」
肩が抜けそうになったのである。以前、躓いて転びそうになったときに手を着いて亜脱臼をしたことがあり、それ以来、何かの拍子に肩が抜けたことが何度かあった。今まさにそのときの感覚が走ったのだ。

幸いにして、無理に肩を回さなかったおかげで脱臼することはなかったが、100mも泳がないうちにかなりのロスをした気分になってしまった。しかし、まだまだ先は長い…。気を取り直してまた泳ぎ始めた。

一つ目のブイが近づいてきたとき、強風によって海面に激しく波が立ち始めた。ようやくバトルを抜けたと思ったら今度は荒波である。波の間隔と呼吸のタイミングをあわせながら、何とか一つ目のブイを回る。

折り返して2つ目のブイを目指していると、赤のスイムキャップの選手が見え始めた。第2ウェーブの女子選手である。いつもより抜かれるのが若干早い気がした。しかし、先ほどの荒波が少しましになったせいか、2つ目のブイまでは早く到達できた。

2つ目のブイを回ると、漁港内を右に左に曲がりながら周回チェックのポンツーンを目指す。ポンツーンに上がってタイムを確認…12分ちょうどで、それほど速くはなかったが、序盤のもたつきから考えると上出来だ。あとは2周目でタイムを落としていなければいいのだ。

2周目に入ると、周回遅れの選手の間を縫うように泳ぐことになる。平泳ぎの選手がいる確率が高くなるので注意が必要だ。序盤で思い切り蹴られただけに、かなり慎重になっていたが、今度は蹴られることもなく一つ目のブイを回る。

2つ目のブイを目指して泳いでいると、今度は急に目の前が見えにくくなった。そのうえ、木の枝や落ち葉が顔に当たり、一部は口に入り込んでくる。強風による荒波で海の中がかき混ぜられているようだった。

この大会でこんなにいろんなことが起こったのは、あまり記憶がない。それだけに2周目のタイムは自信がなかったのだが…11分55秒と、思ったよりも速かった。この時点で23分55秒…コンディションが悪いながらも、このままいけば30分は切れそうだ。少し気をよくして再び泳ぎ始めた。

コースを2周した後は、コースロープと反対側の岸壁に沿って泳ぎ、途中に設けられた階段から遊歩道に上がる。上がった瞬間のタイムは29分ちょうどだった。ここからトランジッションエリアのゲートまで少し走ったところが計測ポイントである。タイムは29分48秒…とりあえずは合格である。

バイクに移ってしばらくの平坦では風の強さをあまり感じることはなかった。しかし、徳万海岸からの上りをクリアして、若人の森の横を下っていく頃から徐々に風が強くなっていく。最近、ペダリングにおいて内転筋をしっかり使えず、平地や向かい風でがんばって踏み込むことができていなかった。そこで、今回は1枚ギアを落として回転重視で走ることにした。

2014長崎西海bike

大崎高校前のあたりで、進む方向が変わっていくので、同時に少しづつ追い風になる。このときだけはまた1枚ギアをあげるが、崎戸町へと続く道との分岐点で右折し、細かなアップダウンが続くところでは無理に踏み込まず、普段より1枚軽めのギアで走った。

これが良かったのか、いつもより早い段階で自分のリズムをつかめているような気がした。コース中一番の上りである塔ノ尾も思ったより軽くクリアできている。ただ、いつもはここでかなりの選手に追いつくのに、この日は一人しか追い抜けなかった。スイムが比較的速かったからなのか、他の選手はもっと速いのか…少し気にはなったが、調子の悪さは感じない。細かいことは気にせず、自分の力を出すだけである。

塔ノ尾から下りきって、また少し上った地点にあるトンネルを出たところで大泉愛輪会の井原さんとも親交のある福岡県の日高さんが追い抜いていく。スイムは少々遅れたようだが、バイクラップ1位を争う選手だけあって、あっという間に置いていかれた。もちろん着いていくことはできないので、次第に小さくなる背中を見送る。

牛ヶ首辻の上りをクリアし、下りきったところから続く防波堤区間で、何人かの選手を捉えながら走っていると、佐賀県の久保さんが抜いていった。ラン勝負になったら久保さんには到底敵わないが、バイクなら何とか着いていけそうだった。ドラフトゾーンをキープしながら後を追う。民宿大島の前から続く上りで追いつき、そのまま追い抜く。

造船所の敷地内では強風の影響をまともに受けた。奥へ進んでいくときは追い風で、軽く走っても時速40kmに達するが、出口に向かうときには時速30kmを維持するのが精一杯だ。先ほど追い抜いた久保さんにまた追い抜かれる。

造船所の敷地を出て、馬込港に向かう道路では向かい風がより強く吹き付けてきた。前を走る久保さんも若干スピードダウンしているが、離されないように必死に走る。

バイクの1周目を終えて、徳万海岸へ向かう平地区間で久保さんのペースが上がらない。2周目は久保さんに着いていこうかと考えていたが、自分のペースのほうが若干上がってきたような感じがしてきたので、徳万海岸からの上りに入る直前で追い抜いた。

2周目に入っても風は相変わらず強かった。1周目と同じくギアを1枚落として走る。追い抜くのは周回遅れの選手ばかりとなってきた。塔ノ尾の手前で1人の選手に抜かれる。同じ第1ウェーブの選手だ。少し離されるが、上りに入るとじわじわ差が詰まってくる。このままいけば頂上で捉えられるかと思ったが、少しだけ及ばず下りから平地にかけてまた離されてしまう。そんな調子で走っているうちにペースも上がってきた。

造船所敷地内の向かい風区間で、また一人同じ第1ウェーブの選手に追い抜かれたが、ランに備えるべくそのままのペースを保ったままバイクを終えた。タイムは1時間12分30秒…1時間10分を切るくらいで走りたいところだが、この風向きと現在の調子ではこれが精一杯だろう。

ランに入ると、先ほど追い抜いていった選手が20m前を走っていた。距離が短縮されているので、はじめから上げていかなければならない。何とか追いつくべくペースを上げようと踏ん張るが、寺島大橋への上りでじわじわ離されはじめた。

寺島大橋を渡ったあたりで福岡県の中山君が雄叫びをあげながら下ってきた。すごい勢いだった…。それから少し遅れて、同じく福岡県の赤嶺さんがやってきた。昨年に続いての年代別1位を狙っての出場だが、風邪気味で体調は良くないようだ。声を掛けあってすれ違う。

大島大橋がコースから外されているので、橋に差し掛かる手前の広くなった部分で折り返す。残り3kmちょっとといったところだろうか?そろそろ仕掛けなければならないところだが、本来ならば序盤である。まだリズムが掴みきれていない。

寺島大橋を下ってファミリーマートの前を通り、開催当時のフィニッシュ会場だったグラウンドに続く急坂を上る。ここまでランで走ってきた距離が短いとはいえ、かなり堪える。

親和銀行前のエイドでは毎年お楽しみのスイカが待っていた。猛暑だった昨年よりは感動が若干薄かったが、ありがたく2切いただく。

団地の中を下っていく急坂の手前で赤嶺さんとすれ違い、また声を掛けあう。その前に第1ウェーブの選手がたくさん見えたので、年代別1位は厳しそうだ。

急坂を下りきって、平地区間をしばらく走ると折り返し地点がある。ここから後の選手との差を確認すると、やはり久保さんが迫ってきていた。残りは1kmちょっとのはず…ランが普通に10kmだったら確実に捉えられてしまうが、何とか逃げ切れそうだ…いや、ここは逃げ切らなければならない。そう思うと少し気合が入るとともに、距離的にもようやくペースが上がってきた。今頃ではもう遅いのだが、なにぶん距離が短いのだから仕方がない。

先ほど下ってきた団地の中の急坂を上りきると残り1kmだ。久保さんのほかにも選手が迫ってきていたので、追いつかれないように踏ん張る。右手に以前行ったことのある居酒屋「蜻蛉」やカラオケ「どんどん」を見ながら、商工会のところまで下って県道に入り、左折するとフィニッシュはもうすぐだ。

2014長崎西海run

後が気になるが、振り返らずに走る。心配されていた天気はすっかり回復し、そのせいで沿道で声援してくれる人たちの数も多くなってきていた。その声援の様子から、まだ追い抜かれそうな状態でないことはわかる。文化ホールに続く道との交差点を右折し、フィニッシュに向かう。

結果は2時間3分47秒で、一般の部での完走者257名中22位、年代別は8位だった。今年は参加者が多かったせいかレベルも高かったように思う。また、昨年の猛暑とは打って変わって今年は気温が上がらず、強風のためにランも短縮となった。サバイバルレースとなってランで順位を上げるというパターンに持ち込めなかったことも、イマイチ順位が上がらなかった一因かもしれない。いずれにせよ、平地と向かい風という決定的な弱点をまずは何とかしなければならない。

今大会前に、出場を予定していた宇久での大会が残念ながら中止となってしまった。なので、思いがけず次の週に出場する「ひわさうみがめトライアスロン」が現時点でトライアスロンの今季最終戦になってしまった。2年ぶりの二週連続出場…涼しかったコンディションとラン短縮で体へのダメージは比較的少ないと思われるが、結果は如何に??

<続く>

坂口晃一

トライアスロンイン上五島2014

「レースの先には竜宮城が待っている。」誰が言い始めたか、この大会の代名詞としてこんなフレーズが聞かれるようになった。規模は小さいが、長崎県で一番の歴史を持ち、同時にリピーター達が愛してやまないのがこのトライアスロンイン上五島大会である。「竜宮城」と称されるのは「食の祭典」と名づけられた完走パーティーで、まさに竜宮城に来たかのような料理が待っているからだ。

今年もトライアスロンシーズンの開幕戦として、この大会に参加してきた。昨年はなかなか疲れが抜けず、思うように体が動かなかったのだが、今年はGW明けあたりから少しづつではあるが、良いときの状態に近づきつつあった。なので、今年の目標は昨年4年ぶりに逃してしまった表彰台である。

メンバー表を見ると、いつものおなじみの顔に加えて久しぶりに参加する選手の名前も見られる。長崎の内藤君もその一人だ。彼は2年前のこの大会で3位に入り、その後も実力を伸ばしている選手だ。2年前のレースでは約50秒差まで迫ったのだが、今はもう敵いそうもなかった。そうなると年代別を争うことになる神奈川の秦さんに、がんばって総合3位に入ってもらわなければ表彰台の可能性は薄くなってしまった。なんとも他力本願で情けないところではあるが現状では仕方がない。とにかくベストを尽くすべくスタートする。

スイムはここ最近では珍しく、しばらく集団の中で泳ぐことになった。秦さんがすぐ横を泳いでいるのが見える。一つ目のブイの手前で秦さんが遅れ始めた。泳ぎ始めから気持ちよく泳げているように感じていたが、やはり調子は良いようだ。少し気を良くして2つ目のブイに向かう。

2つ目のブイを回って浜に上がるまで3人の集団で進んでいった。浜に上がって周回チェックし、2周目に向かう。ここからは同じ集団の選手が遅れ始めたのか、一人で泳ぐこととなった…と思っていたが実は違っていた。遅れたと思っていた二人がずっと後についてきていたのである。ブイを回るごとに同じ色のキャップがすぐ後に見えたのだ。

僕のペースが少し落ちたせいか、3周目の中ほどで後の二人が前に出てきた。ついていけない速さではなかったのですぐに後を追う。ずっと前を引いてきたのだから、ここからは後につかせてもらうことにした。

浜に向かって泳いでいるとき、目の前が白く霞んでいることに気づいた。ゴーグルが曇ってきたのかと思ったが、明らかに違っていた。実は霧が出ていたのだ。これまでのレースで霧で前が見えなくなったのは初めてである。少し戸惑ったが、この霧が序盤の暑さを少し和らげてくれたようだ。

浜に上がってタイムを確認すると43分を少し超えてしまっていた。ただ、後からどんどん抜かれることもなく、泳いでいるときの感覚は悪くなかったので、不思議と焦りはなかった。計測ポイントから走ってトランジットエリアに向かい、ラックにかかっているバイクを見ると、まだたくさんのバイクが残っていた。やはりトップ集団を除いては全体的にタイムは悪そうである。

今回もバイクラックは秦さんと隣同士である。秦さんは序盤で遅れていたので当然ながらバイクはまだ残っていた。実はスイムで秦さんに先行するのは初めてである。バイクで逃げ切れれば勝てるかもしれない…そう思いながら準備を急いでいると、秦さんがスイムから上がってきた。少し言葉を交わしてから、僕が先にバイクスタートした。

バイクスタートしてすぐに上り区間に入る。昨年は緩やかな上りであるにもかかわらず20km/hを割り込んでしまって、離れていく秦さんの姿を見送るしかなかったのだが、今年は順調にクリアできた。このまま米山まで逃げ切れれば…そう思いながら海岸線沿いの細かなアップダウンを走るのだが、イマイチ平地区間での伸びがない。それどころか、後方から追って来る選手の姿がはっきり確認できた。一人はスイム終盤で前に出てきたうちの一人…そして、少し遅れて確認できたのは秦さんだった。

平地区間でどんどん差を詰められ、少し上りに入ったところで追い抜かれる。そして、下ってからはどんどん差を広げられ、米山への上りに入る頃には2人の姿は見えなくなってしまっていた。もう少し粘れると思っていたのに、ここで大誤算である。

米山の上りに入ってからもあまり伸びは感じられなかった。このままではまた後続の選手に追いつかれるかも…そう思いながら走っていたが、その気配も感じられなかった。1周目の後半に入って前方に選手が見えるが、追いついてみるとすべて周回遅れだった。こうして、バイク序盤で早くも順位が固まってきたようだった。

2周目に入ってからも調子は変わらない。米山が少し楽に感じたが、劇的な伸びが期待できるほどのものではなかった。前を走っているであろう選手たちの顔ぶれを思い浮かべると、とても追いつくような気はしない。もちろんここで諦めたわけではなかったが、少し気が抜けたような感じがしたのは確かである。追うことも追われることもない…少々緊張感に欠ける展開になりつつある中でバイクを終えるのは、なんともいえない奇妙な気分だった。

バイクを終えてトランジットエリアに向かうときに、ラックにかかっているバイクの数を数える。バイクの途中で思い浮かべた選手の数と同じだけのバイクがかかっていた。現在8位である。

ランに入ると思っていた以上に足が軽かった。といっても、前を走る選手の中でランに弱点があるような選手は思い浮かばなかった。ランは序盤に上りが多いので、まずは自分のペースを作ることに努める。暑さはさほど気にはならなかったが、米山の上り口に向かう急坂で右足の太ももが攣りそうだった。気を抜くと歩いてしまいそうになるが、必死にこらえる。やっとの思いで急坂をクリアしたら、海岸線に入るまで今度は急な下りだ。ここでリズムを作るべく少しだけピッチを上げた。

海岸線まで下ってくるとトップの伊藤君がやってきた。と、その50mほど後には池形君ともう一人女性の選手が見える。今年デビューしたという期待の新人、柴田さんだ。ここは最後の踏ん張りどころなので、伊藤君に「もうちょっと!がんばれ!」と声をかけた。

そこから少し一人旅が続き、折り返しに近くなったところで何人かとすれ違う。その中に秦さんがいた。僕が追いつけそうな距離でもなく、秦さんのトップ3入りも厳しそうなので、この時点で年代別1位は秦さんが獲る可能性が高くなった。「がんばって!」と、タッチをしてすれ違う。

折り返してから後方の選手を確認すると、西彼杵郡の江頭君が下りのせいもあるが勢いよく走ってきた。差は500mくらいだろうか?後姿さえ見せなければ逃げ切れそうだ。ここまで緊張感なく走ってきたが、少しだけ後を意識して走り出した。

海岸線の平坦区間で何度か後を確認するが、追って来る選手は見えない。米山の上り口に向かう最後の坂まで逃げ切ればもう大丈夫…そう思いながら急坂で歩きそうになるのを必死にこらえて走った。頂上のエイドを過ぎるとあとは下りだ。ここで調子に乗るとかえって痙攣しやすいので慎重に下る。開会式会場の「しおさい」の横を通って港に向かう道路を下りきると、あとはフィニッシュまでほぼ平坦である。ここで今一度後を確認したが、追って来る選手は見えなかった。

run045

結局ランでも順位は変わらず総合8位でフィニッシュ。年代別1位はやはり秦さんで、今年も表彰台を逃してしまった。調子が戻ってきた感覚は確かにあったのだが、そこからの積み上げが足りなかったようだ。今年はまだ、長崎西海、ひわさ、宇久とレースが続く。まずはしっかりと疲れを取って、シーズン後半向けて調子を上げていきたい。

坂口晃一

ビデオレター

皆さんゴールデンウィークを楽しんでいますか?
今年は、長期休暇が取れるのは、大企業だけのようですね。

世界一周中の吉田さんよりビデオレターが届きました。

Video Letter from Sekiji vol.13
[HD] http://www.youtube.com/watch?v=7mpw-DWX-I8&hd=1
[SD] http://www.youtube.com/watch?v=7mpw-DWX-I8

見てみて下さい。
いつも、うまく撮れているなと感心しています。